2024.07.05

豆大福の育児日誌 その14

梅雨入りして、雨が多い今日この頃ですがみなさんいかがお過ごしでしょうか。
近年はゲリラ豪雨や線状降水帯など、突然の大雨や雷に見舞われることが増えたような気がします。
 
今回は、梅雨時期に気をつけたいことについてお話ししたいと思います。

 

『雷』


まずは1つ目、梅雨~夏のこの時期、一番気になるのはやはり「雷」でしょうか。
うちの豆大福のように、昼寝中に雷が鳴ったとき、ピクリと耳は動かしてもあまり気にせず寝続けることができる子もいますが、雷が鳴ると吠える、震える、よだれをたらす、地面を掘ろうとするといった行動をする子もいると思います。
雷から身を守るための本能的な行動であったり、過去のトラウマによる行動だったりすることが考えられますが、こういった行動が過剰にみられる場合は、ケアが必要となることもあります。
風が強く吹いて大きな音がする時や、雷が鳴っている時は、愛犬の様子をよく見てあげてください。そして、行動異常が見られるのであれば、かかりつけの獣医師に相談してみてくださいね。

『水たまり』

2つ目に気をつけてほしいポイントは、「水たまり」です。
雨の多い時期は、雨上がりに散歩をしていても、水たまりをよく見かけると思います。
実は、この水たまりには感染症の原因となる菌や中毒を起こす毒素が混じっていることがあるのです。
東京や大阪などの都市部ではあまりみられませんが、ネズミなどの野生動物の尿を介して感染する、レプトスピラと言われる感染症があります。この細菌を保菌した動物の尿で汚染された水や土壌が感染源となるため、水たまりの水を飲む、触るといったことで広がっていきます。また、その他にもジアルジアといった原虫が水溜りに潜んでいることもあります。
これらの感染症以外にも、不凍液として使用されているエチレングリコールなどの化学物質が土壌を汚染し、水たまりに溶け出ることもあります。
しばしば、散歩中に道端に溜まったお水を飲もうとすることがありますが、可能な限り飲ませないように気をつけましょう。

 

『カエル』

3つ目は、「カエル」です。雨といえば「カエル」ですよね!
東京ではあまりカエルを見かけることはありませんが、田園地域では、この時期大量にカエルを目撃します。家の壁や道路などいたるところにカエルがいますよね。
このカエル、消化管に寄生する寄生虫を媒介することは有名ですが、毒を持っていることもあるのです。一番見かけることの多いアマガエルも、皮膚の分泌物に毒性があると言われています。
しかし身近にいるカエルの中で、実は危険なカエルはヒキガエルなんです。
都市部ではあまり見かけることはないかもしれませんが、ヒキガエルを犬が食べてしまうと麻痺症状を引き起こし、最悪の場合は死亡してしまうこともあります。
もし、愛犬がカエルを食べてしまったのを目撃した場合、呼吸困難などの症状が見られるようであれば、すぐにかかりつけの病院を受診しましょう。

 

そのほかにも、7月に最も発生するといわれているきのこ類やカビなども中毒を引き起こすことがありますので、注意してくださいね。

 

獣医師 中川恭子

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